3DWarehouseで3D素材を無料ダウンロード+便利機能

2024年5月27日

3DWarehouseの使い方

スケッチアップを使って3Dコンテンツを作っていると、家具など3D素材のダウンロードで何かと利用する機会の多いのが3DWarehouseです。

編集画面から直接アクセスできるので、とても便利です。

この3DWarehouse、3Dモデルを無料で入手できるほかにも、いろんな便利機能が備わっているのを知っていますか?

3DWarehouseができること
・3Dモデルとマテリアルの検索とダウンロード
・自分で作った3Dモデルの共有(一般公開)
・アップロードした3Dモデルの管理
・ブログ記事へ3Dモデルを埋め込むコードの表示
・AR(拡張現実)対応端末で3Dモデルを表示

この記事ではこれらについて詳しく解説します。

※SketchUp for Web(ブラウザ版)での解説です。
*デスクトップ版とはインターフェースは違いますが、基本機能はほぼ共通しています。

3DWarehouseとは

3DWarehouseとはSketchUpから利用できる、3Dモデルのオンラインプラットフォームです。
もちろん無料で使えます。

3DWarehouseには、テーブルやソファ、キッチンなどの家具や建築で使う部品など、さまざまな種類のモデルが多数登録されています。

SketchUpユーザーはこれらのモデルをダウンロードして編集中のモデルにインポートすることができます。

💡 3DWarehouseはブラウザから直接アクセスすることもできます。
ブラウザからアクセスした場合、3Dモデルは自分のPCへダウンロードされます。

3DWarehouseを開く

SketchUpのモデル編集画面右にある3DWarehouseのアイコン3DWarehouseのアイコンでホーム画面が開きます。

検索のホーム画面

検索ボックスからキーワードを入れるか🔍アイコンを押すと、検索画面が開きます。

💡イメージ検索は有料版SketchUpで使える機能です
画像データを開いたウインドウへドラッグするだけで、同じ形の3Dモデルを検索できます。

3Dモデルをダウンロードする方法

椅子を検索してみましょう。
キーワードは英語で「chair」と入力してEnterキーまたは🔍アイコンをクリックすると、検索結果が表示されます。

検索画面から選ぶ

ダウンロードボタンを押すと編集画面内にコンポーネントとしてインポートされます。

編集画面へ直接ダウンロード

・3DWarehouseを開く
・検索して選ぶ
・編集画面へ置く

この3ステップです。

とても簡単に3Dモデルを入手できます。

ダウンロードしたのに表示されない?

ダウンロードしても3Dモデルが画面に現れない場合は次の事を確認してください。

  • ダウンロードに時間がかかっている。
    →しばらく待ってください。
  • 画面の外に現れている。
    →画面をズームアウトして確認してください。
  • モデルの縮尺不良で異常に小さい、または大きすぎる。
    →画面をズームイン、アウトして確認してください。

コンポーネントパネルを開いて確認することもできます。

コンポーネントパネル

画面右のコンポーネントパネルを開いて、一覧に表示されていれば編集画面内のどこかにダウンロードされています。

マテリアルをダウンロードする方法

3DWarehouseではマテリアルを検索して、編集画面のマテリアルに追加することもできます。

検索画面からMaterialsを開いて、キーワードを入力すると、該当するマテリアルの一覧が表示されます。
サムネイルのダウンロードボタンを押すと、マテリアルパネルに自動で追加されます。

マテリアルの検索

検索のコツは英語に慣れること

3DWarehouseでは全世界のユーザーが作成した無数の3Dモデルが共有されています。

日本語キーワードでも検索はできますが、今のところ利用者は英語圏の方々が多くを占め、英単語キーワードの方が日本語よりはるかに多くヒットします。

ここは早く英語に慣れて、よく使われる英語キーワードを覚えてお方がよいでしょう。

よく使われる検索キーワード

英語で検索するといっても、探したい物のキーワードが分からないときもあると思います。

例としてインテリア雑貨などを探すときによく使われる英語キーワードを、いくつかあげます。 検索のヒントにしてください。

インテリア小物全般「accessory」「accessory interior」「accessories living」
観葉植物「plants」「flowers」
花瓶や壺「vase」「pot」
置物「object」「ornament」
スタンド照明「floor lamp」「table lamp」

💡 日本語入力のカタカナ英語変換を活用
最新の日本語入力では「チェア」や「テーブル」などのカタカナ英語を正確な英語のスペルに変換してくれます。 英単語検索するときにとても便利なので活用しましょう。

検索画面の構成

検索画面

タブ

Products
実際に存在する製品の3Dモデル

Models
一般ユーザーが作成した物も含めたすべての3Dモデル

Catalogs
企業が提供する製品カタログ

Collections
3Dモデルのコレクション

Materials
SketchUpで利用できるマテリアル

並べ替え

Popularity(人気順)
Like(いいねの数)
Auther Name(制作者)
Title(タイトル)
Date Moddified(更新日)
Date Created(制作日)

フィルタ

Category
メインカテゴリ
(動物,建築,アート,建築製品,電子機器,映画や舞台&イベント,食品や飲料,家具,産業,インテリアデザイン,インテリア製品,景観,ミリタリー,人物,レクリエーション,乗り物,実用品,視覚化,その他)

Subcategory & Products
メインカテゴリに関連したサブカテゴリ

File Size
3Dモデルのファイルサイズ

Polygon Count
3Dモデルのポリゴン数

File Type
skpファイルのバージョン、または他のファイル形式
(Sketchup 2023~2018 Model,Collada File,GLB File,USDZ File)

Title & Author
3Dモデルのタイトルまたは制作者をキーワードで指定

Date Created
3Dモデルの作成時期

Date Modified
3Dモデルの更新時期

Specialty Filters

Dynamic Component
サイズやマテリアルをパラメータで調整できる3Dモデル
(Live Componentに類似した機能)
有料ライセンス版のみ利用可能。

Live Component
サイズやマテリアルをパラメータで調整できる3Dモデル
無料版SketchUpでも利用可能。
パラメータ調整する際にリクエストがクラウドに送信され、結果が3Dモデルに反映される。

Geolocated
地球上の位置情報が付加された3Dモデル

Verified Collection※Collectionタブのみ
SketchUpチームにより検証済みの高品質な3Dモデル

特定のブランドを検索する

3DWarehouseには2000を超えるブランドが登録されています。

カテゴリをPRODUCTSにしてキーワード検索でブランド名を入力して検索します。

PRODUCTタブには、家具、インテリア雑貨、建築設備や材料、など様々な分野のブランドが提供する製品の3Dモデルが収録されています。

分野を絞り込みたいときは、右上のフィルタを使用します。
例えば「家具」で絞り込みしたいときは次のようにフィルタします。
・Category : Furniture(家具)
・SubCategory:Residential(住宅用)

💡ブランド検索のページにアクセスできない?
以前の3DWarehouseではホーム画面からブランド検索ページにアクセスできましたが、今現在はアカウントにログイン後はブランド検索ページのリンクが表示されません。しかしブランド検索ページが無くなったわけではないようです。
現時点(2023.8月)では次のリンクからブランド検索ページが開きます。
https://3dwarehouse.sketchup.com/brands-v2?pg=1&sortBy=createTime%20DESC&hl=ja
(リンク切れになっていたらコメント欄で教えてください)
使う人も多かったと思いますので改善を期待したいですね。

マイページの活用

画面右上の自分のアカウントアイコンをクリックすると3DWarehouseのマイページにアクセスすることができます。

アカウントページでは次のことが管理できます。

Edit Profile & Settings
プロファイルの設定ページに移動します。
(自分の表示名、自己紹介、サイトやSNSなどの情報)

My Content
3DWarehouseへアップロードした3Dモデルを管理します。
モデルの公開/非公開の設定やモデルに関する情報の編集、またフォルダやコレクションの作成もできます。
非公開(プライベート)にしたモデルには🔓マークがついています。

3Dモデルをアップロードする

SketchUpで編集中のモデルをアップロードできます。

3DWarehouseを開いて右上のアップロードアイコンをクリックします。
※モデルはアップロード前に保存する必要があります。

編集中のモデルをアップロード

公開または非公開(プライベート)の選択、名前、説明を記入してアップロードを押す

アップロードの画面

アップロードが終わってもすぐには反映されません。 3DWarehouseの画面は一回閉じて、しばらく待ってください。

アップロード後はしばらく待つ

コーヒーでも飲んでゆっくりしてから、もう一度3DWarehouseを開いてみましょう。
無事アップロードされているはずです。

しばらくすると画面に反映される

💡 ブラウザから3DWarehouseにアクセスすると、自分のPCに保存しているskpファイルをSketchUpを介さずにアップロードすることができます。

3Dモデルの公開/非公開を切り替える

画面右上のアカウントアイコン ⇒ My Contentをクリック

モデルの管理画面が開いたら、
モデルに✔を入れて、画面上部に表示される🔓のアイコンをクリックします。

公開/非公開の切り替え

3Dモデルをブログに埋め込み表示させる方法

  • 3Dモデルの検索結果一覧でサムネイルをクリック
  • モデルの画面が開いたら「</>」をクリック

ウィンドウに表示されたHTMLコードをコピーして自分のサイトに貼り付けます。

サイト上ではこのように表示されます。

画像をクリックすると3Dモデルが読み込まれ、ブラウザ上でグリグリ動かすことができます。

3DモデルをAR(拡張現実)で表示させる方法

AR対応のスマホやタブレットを持っている方は必見です。

3DWarehouseで公開している3Dモデルは、AR対応の端末を使い、カメラの風景と重ねて表示させることができます。

【Android端末】
Google Android 8.0以上+ARCore 1.9以上
設定→アプリと通知→「Google Play 開発者サービス(AR)」があればOK
インストールされてなければGoogle Playからインストールする必要があります。
*機種によっては対応していない場合もあります。

【iOS端末】*iPhone,iPadなど
Apple iOS 11以上(iPhone 6S以降の機種)

手元にAR対応の端末を準備してください。

  • 3Dモデルの検索結果一覧でサムネイルをクリック
  • モデルの画面が開いたら「View in AR」をクリック

ウインドウに表示されたQRコードをAR対応端末で読み取ります。

💡3Dモデルが「公開」設定の場合のみAR表示できます。

端末でQRコードを読み取ったらあとはスマホ画面の案内に従ってAR表示を進めてください。

このように端末のカメラで映した風景に、3Dモデルが重ねて表示されます。

AR対応スマホで3Dモデルを表示

DIYのために設計した3Dモデルを、拡張現実を使って自分の部屋に仮置きしてみる、という使い方もできます。
地味に便利です。
もっと脚光を浴びてもよい機能だと僕は思います。

AR表示についてはこちらの記事も参考にしてみてください
(関連記事)家具の試し置きをスケッチアップとスマホでする|ARアプリ不要

3DWarehouseの注意点

3DWarehouseは世界中の誰もが利用できる3Dモデルのオンラインプラットフォームです。
大量の3Dモデル、利用のしやすさ、オリジナルの3Dモデルをシェアできる、などのメリットが評価される一方で、品質のバラつきモデレーション*の欠如などが問題とされることもあります。

*モデレーション:適切なコンテンツであるかの確認

3DWarehouseの注意点ともいえるこれらのことについて少しふれておこうと思います。

低品質なモデルも検索結果に現れる

明らかに製作途中のまま公開している、分類ミスによる検索結果の不一致、尺度がまったく合っていない、etc・・・といった、(制作者には申し訳ないですが)正直ちょっと使いにくいな…と思う品質のモデルも検索結果に現れます。

もちろん高品質な3Dモデルの方が圧倒的に多いのですが、誰もが自由に利用できるという状況もあり、公開されているモデルには極端な品質のバラつきがみられます。

高品質モデルの検索は、並べ替えやフィルタを活用しましょう。
・並べ替えをPopularity(人気順)やLike(いいねの数)にしておく
・「PRODACTS」「CATALOGS」タブにあるモデルを使う
・「COLLECTIONS」タブのフィルタで□Verified Collectionをチェックする

正しい利用がされているか

3DWarehouseでは公開されたモデルが適切か、一つ一つチェックされているわけではなく、健全な利用がなされているかはユーザーのモラルにゆだねられています。

ダウンロードしたモデルをプライベートで使う分には気にしなくてよいと思いますが、オリジナルデザインとして3Dオブジェクトを公開するとき、商用利用を考えている場合などは特に、権利侵害の可能性について十分に注意をはらうことが懸命です。

実際のところは、わりと皆さん自由に利用されている雰囲気はありますが、守るべきことは守った方がよいでしょう。
無用なトラブルを避けるために押さえておきたい注意点を簡単にまとめておきます。

  1. 商標侵害:他人のブランドロゴなどを含んでいないこと。
  2. 著作権侵害:他人の作品を無断で使用していないこと。
  3. 模倣行為:知的財産権のある建築や製品デザインを丸コピーしてないこと。
  4. 不適切な内容:差別的または性的など不適切な内容を含んでいないこと。

良識を持って健全な利用に努めましょう!

まとめ

3DWarehouseでダウンロード/アップロードする方法、モデルの管理や、またAR技術の活用などを一通り解説しました。

何といっても無料で3Dモデルやマテリアルがダウンロードできるのはとてもありがたいですね。

とはいえ、英語での検索や、粗雑なモデルがある、といった使いにくさもあります。
しかし、検索に慣れたら良質なコンテンツをいくらでも見つけることができます。

この記事をヒントにして3DWarehouseを楽しんでいただけたらと思います!

最後まで読んでいただきありがとうございました!