【SketchUpモデリングガイド#1】お部屋の3Dモデルを作る

2025年5月2日

記事のアイキャッチ画像

SketchUpの初級者向け3Dモデリングガイドです。
作る3Dモデルのテーマを決めて実践形式で解説していきます。

この記事のテーマは「お部屋」の3Dモデルです。

SketchUpを使うとミリ単位までモデリングできるので、実際の部屋を正確な寸法で再現することもできます。

お部屋の3Dモデルを作っておくと、インテリアレイアウトのシミュレーションで家具を実寸で配置検討したり、あるいはDIYするときにも役に立つかもしれません。

興味がある方は、是非この記事を参考にしてみてください。

このガイドで必要なSketchUpの知識
・モデルの新規作成、保存ができる
・基本的な視点操作ができる
・直線や四角形が作れる
・移動や削除、回転ができる

SketchUpの基礎的な使い方はこちらの記事もチェックしてください。

関連記事
・SketchUpの導入:SketchUp Freeの始め方【無料で3Dモデリング】
・操作画面の説明:SketchUpリファレンスノート~ 画面と機能一覧~
・視点を操作する:【SketchUpの基本】カメラ(視点)の操作と投影法を知る
・移動時の軸固定:【SketchUpの基本】十字キーで描画軸を固定する
その他の解説はブログ上部メニューからどうぞ。

この記事で作る3Dモデル

完成モデル

こんな感じで部屋だけの3Dモデルを作ります。

制作は次のようなステップで進めます。
・前準備(グリッドの作成)
・床と壁を作る
・建具をダウンロードする
・建具をはめる
・色を付ける

想定のお部屋

今回作るお部屋は次の条件とします。

  • 賃貸1Kの想定で約8畳のリビング部分のみ制作
  • クローゼット付
  • 掃き出し窓1か所
参考間取り

この画像を参考にモデリングします。

モデリングの前準備

①単位の設定

自分が分かりやすい単位に設定しておきます。

この記事では単位を「cm」にします。

  • モデル情報パネルモデル情報を開く
  • 形式(単位) → Centimeter
単位の設定

情報パネルではほかにも「精度」、「スナップ間隔」、また「角度の単位」も設定することができます。好みの設定にしておきましょう。

スナップ間隔
直線ツール(Lキー)などのツールを使うときの最小移動間隔です。
「1cm」にすると、描画をするときに1cm間隔でカーソルが移動します。

②91cmのグリッドを作る

今回、8畳の部屋の間取り画像を参考にしています。
正確な寸法は分かりませんので、部屋の広さは畳を単位としてモデリングします。
畳の短辺を約91cmとして、描画がしやすいように91cmのグリッドを作っておきます。

910グリッド
建築設計で尺モジュール(910モジュール)と呼ばれるグリッドです。

グリッドはガイド線を格子状に配置して作ります。

(関連記事)
【SketchUpの使い方】メジャーツールでガイド線を引く/測定する

グリッドはグループオブジェクトにします。まずはグループの編集画面から開始します。

  • 右クリック→グループを作成
オブジェクトで開始

続けてガイド(補助線)を入力します。

グリッドはガイドを格子状に配置して作ります。

  • メジャーツールを呼び出す(Tキー)
  • 軸線をクリック(赤または緑の線)
  • ガイド線を引き出し、キーボードから「91」と入力してEnterキーを押す
補助線を入力

続いて、引き出したガイドを等間隔コピーします。

  • 移動ツールを呼び出す(Mキー)
  • Ctrlキーを押してコピーモードにする
  • コピーするガイドを選択して、移動方向の軸線に沿って動かす
  • キーボードから「91」と入力する
  • 続けて、キーボードから「*10」とコピー数を入力する。※10回コピー
移動ツールでコピーする
連続コピーする

縦軸も同じ要領で入力してグリッドの完成です。

補助線を格子状に配置する
注)点線の四角いボックスはグループオブジェクトの編集範囲を示しています。

ここでグループの編集画面を一旦抜けましょう。

  • オブジェクト編集範囲の外で右クリック→グループを閉じる またはEscキーを押す

タグを割り付けて、グリッドの表示/非表示を素早く切り替えできるようにします。

  • タグパネルを開く
  • +でタグを追加
  • 名前を付けてOKを押す
タグを作成
  • 追加したタグを選択
  • 作成したグリッドをクリックする
作ったタグを割り当てる

「タグ」を割り当てると、画面右のタグ一覧に表示されている目のアイコン目を押すことで、表示/非表示の切り替えが瞬時にできるようになります。

「タグ」はCADなどで使われる「レイヤ」のような役割をします。
何かと使う場面の多い機能です。ぜひ覚えておきましょう。

これで91cmグリッドの準備はできました。
実際のモデリングに移りましょう!

「お部屋」をモデリングする

ここからがモデリングの本番です。
もう一度お題の部屋を見ておきましょう。

参考間取り

床と壁を作る

お部屋のモデルもグループで作成します。

  • 右クリック → グループを作成
グループで作成を始める
編集画面の何もないところで右クリック

最初は床の平面を作ります。

  • 長方形ツールを呼び出す(Rキー)
  • 91cmグリッドに沿って8畳サイズの四角形を作る。
8畳分の四角形を作る
グリッド2個で畳1枚相当の広さです

床の平面ができたら次は厚みを作ります。
ここでは厚みを「10cm」としておきます。

  • プッシュプルツールを呼び出す(Pキー)
  • モデルを下側から見上げ、面をクリックして下へ「10cm」引き出す
下方向へ立体化する
グリッドを床面に合わせるため、下向きに立体化しています。

次は壁を作ります。
壁の厚みは「5cm」、高さを「250cm」とします。

  • オフセットツールを呼び出す(Fキー)
  • 面をクリックしてオフセットラインを内側へ引き出す
  • キーボードから「5」を入力
オフセットラインで壁の下書き
  • プッシュプルツールを呼び出す(Pキー)
  • 壁になる面をクリックして上方向へ引き出す
  • キーボードから「250」を入力
壁を引き出す

四方に壁が出来ましたが、このままでは部屋内部のモデリングが少々やりにくいです。
部屋の中が見やすいようにしたい場合は、断面ツールを使って手前の壁をカットします。

  • ツールバーから断面ツールを呼び出す。
  • カットしたい面に「断面平面」を配置する。
ツールバーから断面ツールを選択
[補足]部屋グループの編集画面に入って断面を追加します。
断面平面を置いてモデルをカットする

平面断面を操作する
平面断面は選択ツール(Spaceキー)で選択して移動ツール(Mキー)で移動できます。
右クリック→反転で断面方向を反転することが出来ます。
右クリック→アクティブカットで断面する/しないを切り替えできます。
また、画面右の表示パネルでも断面の表示切替ができます。

建具のモデルのダウンロードの仕方

ここで必要な建具は「入口のドア」「収納の折り戸」「ベランダの引き違い戸」です。

建具は3DWarehouseからダウンロードして使います。

参考間取り

3DWarehouseは、画面右の3DWarehouseのアイコン3Dギャラリーからアクセスできます。

3DWarehouseを開いてキーワード検索「おうちシミュ」で検索をかけると、おうちシミュのコレクションから次のモデルをダウンロードできます。

3DWarehouseからダウンロード

入り口のドア:片開き扉_幅84_高200
ベランダの引き違い戸:掃出し窓_幅200_高218
収納の折り戸:折戸_幅163_高230

もちろん3DWarehouseから別の建具3Dモデルを選んでもかまいません。

(関連記事)
3DWarehouseで3D素材を無料ダウンロード+便利機能

建具を壁にはめる

お部屋の壁に穴をあけて建具をはめ込んでいきます。

手順は次の通りです。

  • 建具を壁に重ねて配置する
  • 壁に開口するための直線を描く
  • 壁に穴を開ける

建具をはめたい場所へ重ねる

先ほど作ったお部屋モデルをダブルクリックして、グループ内の編集に入ります。

この中へ3DWarehouseから建具をダウンロードし、はめたい場所に重ねます。

  • 移動ツール(Mキー)で建具を壁面に重ねるように配置する
移動ツールで回転できる
壁へ建具を埋め込む

つかむときに「端点」や「中点」などのポイントを掴むと位置合わせが簡単になります。

壁に開口するための直線を描く

長方形ツールで線を引く
開口するための図形を描く
建具の枠に沿って四角形を描画
建具の枠に沿って四角形を描画

この例では長方形ツールを使って、壁に開口用の四角形を描画しています。
壁にはめ込んだ建具の枠に沿って図形を描くと、建具と同じ大きさの開口が作れます。

壁に穴を開ける

四角形を選択
描画した四角形を選択
建具の部分をくりぬく
壁の厚み分をくり抜く
(キーボードで直接「5」と入力してもよい)

残りの場所も同じ要領で加工できます。

910グリッドをめあてにすると、建具の配置もしやすくなります。

掃き出し窓の設置
クローゼットの折り戸を設置

これで3Dモデルの形ができました。

色を付ける

あとは色やテクスチャ付けて完成にします。

色やテクスチャのことをマテリアルと呼びます。
マテリアルの割付はペイントツール(Bキー)を使います。

床にフローリングのマテリアルを割付してみましょう。

  • 部屋をダブルクリックしてグループの編集画面に入る
  • ペイントツールを呼び出す(Bキー)
  • 参照タブを選択する
マテリアルパネルの参照タブ
  • マテリアルを選んで床面をクリック
マテリアルをペイントする

テクスチャではなく色にしたい場合は、一覧の中に単色のカラーパレットもあります。
自分の好みで着色してみてください。

ドアを反転させる

間取り図面ではドアの開閉方向が反対になっています。

このような場合は反転ツールが便利です。

  • ツールバーから反転ツールを呼び出す
  • ドアをクリック
  • 反転軸(赤)をクリック
反転ツールを選ぶ
赤軸を中心に反転する

間取り図と同じ開閉方向になりました。

完成

これで完成です!
間取りの通りの配置になったでしょうか?

お部屋モデルの完成

このような部屋の3Dモデルがあると部屋の模様替えや、引っ越し先のレイアウトプランなど、パソコン上で検討ができるのでとても便利です。

家具などの3Dモデルは3DWarehouseからダウンロードできます。いろいろ楽しんでみましょう!

お疲れさまでした!