スケッチアップ無料版でソリッドツールを使う

2023年5月30日

ソリッドツールの使い方

スケッチアップの「ソリッドツール」について解説します。

ソリッドツールを使うと2つ以上の立体を合体させたり、立体を使って片方を削り取ったりすることができます。

無料版のスケッチアップで使えるソリッドツールは「外側シェル」だけですが、ツールを使わずに削り取り加工するやり方なども解説します。

また、ソリッド形状の欠損などによりソリッドツールが使えなくなるなんてこともしばしばあります。
その場合の確認ポイントも記載しておきますので、参考にしてください。

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ソリッドツールでできること

ソリッドツールとは?簡単に言うと、オブジェクト同士の足し算や引き算で新しいオブジェクトを作ったり加工したり、という事をします。

画面左ツールバーのソリッドのグループアイコンを開いてみましょう。
6種類のソリッドツールが用意されているのが分かります。

ソリッドツール機能
外側シェルのアイコン外側シェルソリッドの外殻のみ合体。
結合のアイコン結合ソリッドの外殻と、内部構造も含めて合体。
減算ツールのアイコン減算ソリッドを使って別のソリッドを削り取り、削る側のソリッドは削除。
トリムのアイコントリムソリッドを使って別のソリッドを削り取り、ソリッドは両方残す。
交差のアイコン交差ソリッド同士の重なり合う部分だけ残す。
スプリットのアイコンスプリットソリッド同士の重なり合う部分を境界にして、ソリッドを分割。

無料版では外側シェルだけ使える

6種類のソリッドツールの内、無料版で使えるのは「外側シェル」だけです。
「外側シェル」はオブジェクト同士の足し算で「結合」と似ていますが、両者には次のような違いがあります。

外側シェルと結合の違い
外側シェル:外殻だけ合体する。/ 結合:内部構造も含めて合体する。

ソリッドツールの使い方

ソリッドツールは二つ以上のソリッド化されたオブジェクトを使います。
その使い方を解説する前にソリッドについて勉強しておきましょう。

ソリッドとは完全に閉じた立体のこと

ソリッドとは面が完全に閉じた立体で、グループまたはコンポーネント化されたオブジェクトのことを言います。

ソリッドツールはオブジェクトがソリッドでないと使えません。

ソリッドを作る

ソリッド自体は簡単に作れます。
面が閉じた立体をグループまたはコンポーネントで作るだけです。

やってみましょう。

編集画面→右クリック→グループを作成
長方形ツール(Rキー)で四角形を作る
プッシュプルツール(Pキー)で立体にする
・グループを閉じる

ソリッドを作る

今作った立方体は、

  • 面が完全に閉じた立体である。
  • グループである。

というソリッドの要件を満たしています。

これが本当にソリッドなのか調べてみましょう。

情報パネルでソリッドか調べる

モデルがソリッドであるかどうか調べる方法は次の通りです。

・エンティティ情報パネルを開く。
選択ツール(Spaceキー)でオブジェクトを選択する。

ソリッドかどうか確かめる

名前にソリッドグループ(またはコンポーネント)と表示されていれば、そのオブジェクトはソリッドです。
ソリッドの文字が無ければ、何らかの理由でソリッドでなくなっています。

ソリッドツールを使って合体させる

ソリッドが2つ以上あれば、ソリッドツールを使って合体や分割などの加工ができるようになります。
ここでは外側シェルを使ってソリッドを合体させてみましょう。

先ほど作った立方体をコピーして写真のように重ねます。
この二つを合体させて一つのソリッドオブジェクトにします。

・ソリッドツール外側シェルのアイコン外側シェルをクリック
・合体させるオブジェクトを連続してクリック

外側シェルを使う

合体前と合体した後の見分けはつきませんが中身を透かして見ると、内部で重なり合っていた面が無くなっているのが分かります。

合体後は内部の重なった面は無くなる

それぞれのソリッドツールは、公式サイトの動画で詳しく解説されています。

SketchUp公式ヘルプより

ソリッドにならないときはココを確認

後でソリッド結合させようと思っていたのに、モデルがいつの間にかソリッドじゃなくなっていた・・・。
なんてことはよくある話です。

有料版スケッチアップなら画面右パネルの「ソリッドインスペクタ」で確認できますが、無料版の場合は自分で欠損部位を調べるしかありません。

ソリッドの要件
・面が完全に閉じた立体である。
・グループまたはコンポーネントである。

欠損チェックするのに便利な機能
・背面エッジ(Kキー)を表示する。
・X線表示にする。(画面左のツール検索からXと入力)

ソリッドにならないときに確認するポイント
・グループまたはコンポーネントにするのを忘れてないか?
・余計なエッジや面が存在していないか?

余計な面や、線が残っている
特に立体形状の内部は見落としやすいので注意!

・面が消えていた。

面が消えている

・微妙に面が閉じていない。

微妙に面が閉じていない

これらの欠損や余分な形状を解決すればソリッドに戻るでしょう。
あきらめずに探し出してください!

ソリッドツールの代用「面を交差」

無料版ユーザーは注目です。
右クリックメニュー→面を交差、を使う事で、ソリッドツールと同じ加工をすることができます。
ソリッドツールが使えなくてもあきらめないでください。

減算ツールと同じ加工をする

【例】円柱と重なった部分を、減算ツールを使わずに切削します。

減算ツールを使わずに減算ツールと同じことをする

①立体を準備する

二つの立体を準備

【重要】この2つの立体は、個々でオブジェクト(グループまたはコンポーネント)にしないでください。

②片方の立体を全選択して、カットしたい場所に重ねる

選択ツール(Spaceキー)と移動ツール(Mキー)を使って動かす

③右クリック→面を交差→モデルと交差

右クリック→面を交差→モデルと交差を選ぶ

消しゴムツール(Eキー)で不要な部分を消す

不要図形を消す

重なり合った境界の面だけ残して、後は消しゴムで消す。という手順です。

交差ツールと同じ加工をする

【例】立体同士が重なり合った部分だけを残します。

交差ツールを使わずに交差ツールと同じ加工をする

交差ツールを使わない場合も、途中までは減算ツールを使わないやり方と同じ要領で(①~③)、
重なり合う部分以外消しゴムツール(Eキー)で消すだけです。

二つの図形が重なる部分だけ残す

まとめ

ソリッドの条件やソリッドツールの使い方について解説しました。

3Dモデルを作る際、必ずしもソリッドでないといけないというわけではありませんが、ソリッドツールが使えるとモデルを合体したり、削ったりなどの加工がとても便利になります。

また3D印刷したいなど、ソリッドであることが絶対条件の場合もあります。

ソリッドの扱いを覚えておいて損はないので、いろいろ試してぜひマスターしておきましょう!